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カラヤンの無骨で真面目なブルックナー

●交響曲第8番ハ短調
カラヤン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1957年4月17日、ムジークフェライン ANDANTE)

JIMMYちゃんがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を3人の指揮者が振った4枚組のCDを貸してくれました。
期待したミトロプーロスによるマーラーの交響曲9番は音が悪すぎて聴く気がしない状態。ベームリヒャルトはモノラルにもかかわらず音も演奏も生々しい。で、オマケの空ヤンだ。

しか〜し、ゲゲ、これがカラヤン?といったハース版による演奏。
当時のウィーンフィルの個性や録音も影響しているのかもしれないが、聴き所の多い演奏でビックリだ。オーボエ、ホルンの鄙びて魅力的でコクのある音色と、強さとしなやかさを併せ持った弦が、木綿の手触りのような磨かれていないことを武器にするような音楽を奏でる。

第1楽章冒頭のヴィオラ以下のテーマやスケルツォの主題がヌメッとしているところにカラヤン臭があるとはいえ、終始真面目にやっているところが良い。決して“ぶってる”わけじゃない。遅めのテンポで立体感のある響きを構築しているところなど素晴らしい。
スケルツォ主部の終結の切れ味の鋭さと心からの最強音は、好き嫌いを越えて納得できる。

アダージョだって悪くない。冒頭のリズムこそ軟体動物的でいただけないが、かなりしっかり隅々まで弾いている。場面ごとのテンポ設定も悪くないし、ポルタメントがかかり気味のヴァイオリンも真の強さを伴って独特の魅力を醸している。第一、トレモロを疎かにしていないのが買いだ。

(第五部大クライマックスで落ちたのか拍を数え違えたのかハープが鳴らないのは寂しい。その後の弦はダウンダウンではない。)

堂々としたテンポで始まるフィナーレも見せかけでない本当の心がこもっている。弦を前面に押し出した“死の行進”のバランスなども素晴らしいし、その後もハース版の価値をしっかり生かした演奏になっている。
展開部で3度、第1主題と第3主題が同時に鳴る部分のバランスだって良く考えられている。
コーダのWwをいくぶん弱めに入るのは、死の行進部分の微かなクレッシェンドとともに初版からの引用だろうか。

(コーダではティンパニが数え違って690小節の2拍目(2拍子で)に叩く。)

とにかく、数箇所でラッパが耳が痛いほどの強音を浴びせることを除けば、力いっぱい弾いたうえでのバランスの良さを獲得した心のこもった響きに溢れている。なかなかブルックナーらしい名演と言えるんじゃないだろうか。これでステレオ録音だったら・・・。

2004年6月28日

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