1999年

*6月12日(土) ファミリーコンサート

ビゼー
「アルルの女」第1組曲全曲
「アルルの女」第2組曲〜メヌエット、ファランドール

チャイコフスキー
バレエ音楽「眠りの森の美女」〜ワルツ
バレエ音楽「白鳥の湖」〜情景、ワルツ
バレエ音楽「くるみ割り人形」〜行進曲、ワルツ
大序曲「1812年」

迷ホラ吹き:今回はファミリーコンサートということで、皆さん御存知の曲ばかりですが、ぼやきオヤジさん、何か面白い話でもあったら教えて下さい。

ぼやきオヤジ:いいや。「アルルの女」組曲は、歌劇「カルメン」に次いで有名なビゼー(1838-1875)の傑作なんだが、話の筋はちっとも面白くないんだ。

迷ホラ吹き:そんなこと言っていいんですか?

ぼやきオヤジドーデーというフランスの文豪が書いた戯曲なんだが、少なくともワシはつまらん。田舎の青年が都会の女に恋煩いして結局自殺し、その時白痴だった弟が正気に戻るっていう話なんだが、その都会の女ってのが『アルルの女』なんだな。
どうだい、つまらんだろう?

迷ホラ吹き:そんな手短な話じゃ分かりませんけど「ドーデー、つまらんだろう」って駄洒落をよく言いませんでしたね。

ぼやきオヤジ:喉元まで出かかったんだがね。女房にくだらないオヤジギャグを連発しないようにって釘を刺されてきたんだ。
そんなことより、曲の方はよく出来ている。

迷ホラ吹き:そうそう、曲の話をお願いします。第1組曲前奏曲の冒頭は、これぞ「アルルの女」というテーマですが、第2組曲ファランドールと同じですね。

ぼやきオヤジ:これはプロバンス地方の民謡「王様たちの行進」のメロディーなんだ。しかし、前奏曲はずいぶん悲劇的に聞こえるんだが、ファランドール劇的、つまりドラマチックに聞こえんかな。

迷ホラ吹き:そう言われてみれば・・・。ハ短調ニ短調の違いでしょうか?

ぼやきオヤジ:それもあるだろうが、実は第2組曲はビゼーが作ったのではなく、彼の死後友人の作曲家ギローという人が編曲したものなんだな。その個性の差だろう。ついでに言っておけば、第2組曲の有名なフルートメヌエットは「アルルの女」ではなく「美しきペルトの娘」なんだな。

迷ホラ吹き:へぇ〜。そう言えば、あの優しくて美しく清らかな感じは『女』というより『娘』の方が似合いますね。後半で、ウラメロを吹くサックスがまた堪りません。

ぼやきオヤジ:この組曲は随所でサックスが活躍するが、特にこの部分の優しく寄り添う様は、上品で落ち着いていて実に美しい。夕映えのようだな。
ところで第1組曲の第3曲は「アダージェット」なんだが、アダージョで書かれている。

迷ホラ吹き:ホントだーっ。僕らは休みだから気がつかなかった。なんでー?

ぼやきオヤジ:そんなことは知らんが、何十年ぶりかに再会した昔の恋人同士が、変わらぬ気持ちを確かめあい抱きあうという、感動的な場面の音楽なんだ。

迷ホラ吹き:何十年ぶりかってことは、もうジジババでしょうね・・・。

ぼやきオヤジ:ほっといてくれ・・・。それよりも次の「カリオン」を頑張ることだな。

迷ホラ吹き:やなことを思い出させてくれましたね。この曲、ホルンは4パートなんですが、ファ#と#しか出てこないんですよ。間違えるとすぐバレるぅ。

ぼやきオヤジ:その時は鐘にひびが入ったと思えばいいさ。カリオンってのことだからな。

迷ホラ吹き:やれやれ、後半はチャイコフスキー(1840-1893)です。

ぼやきオヤジ三大バレーからワルツほかだったな。

迷ホラ吹き:そうです。チャイコフスキー嫌いのぼくでも、彼のバレエ音楽には絶賛を惜しみません。オーケストレイションが無駄なく生きていて、本当にチャーミングで楽しい曲ばかりですよね。3曲のワルツもまさに名曲揃い。

ぼやきオヤジ:「眠りの森の美女」は豪華絢爛、「白鳥の湖」は優雅華麗、「くるみ割り人形」は汲めども尽きぬ泉、と言った感じのワルツだ。それぞれに魅力的と言えるだろう。

迷ホラ吹き:最後は当楽団初挑戦となる大序曲1812年」です。ハデな曲で、やっているほうは疲れますけど、聞く分にはスカーッとすること請け合いです。鐘や太鼓がそりゃもう大騒ぎサ。ド迫力。ちょっとウルサイかもね。

ぼやきオヤジ:曲はまずロシア国民の祈りから始まり、ロシア軍の行進ナポレオン軍との激戦農民の生活と自然描写ロシア軍の反撃とナポレオン軍の敗走勝利の大合唱などを経て、ロシア軍の行進国歌の吹奏祝砲も轟き、盛大に歴史的音楽絵巻を閉じるわけなんだが、・・・だ。フランス軍を表わす「ラ・マルセイエーズ」と、ロシア軍を表わす「ロシア国歌」は1812年当時にはまだ無かったんだな。時代考証が甘い!

迷ホラ吹き:そんな細かいこと言わないで下さいよ。水戸黄門だって時代考証がインチキじゃないですか。

ぼやきオヤジ:良いところに気がついた。自分贔屓の、最初から決まっている分かりきった勧善懲悪は、理屈抜きに気持ちいいってことさ。

迷ホラ吹き:チャイコフスキー好きは、水戸黄門好きってこと?

ぼやきオヤジ:そういうことだな。ワルツの話もそうだったろう? ワハハハ・・・。

迷ホラ吹き:ひどいオチになっちゃった。みなさん、ごめんなさ〜い。

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