2001年

*6月16日(土) 第4回ファミリーコンサート

スッペ:「詩人と農夫」序曲
ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」〜私のお父さん
プッチーニ:歌劇「ボエーム」〜私の名はミミ
ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」〜ウナ・ヴォチェ・ポコ・ファ
エルガー:行進曲「威風堂々」
ビゼー:「カルメン」組曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番〜第4楽章

迷ホラ吹き:どうもファミリー・コンサートのプログラムは、とりとめが無いですね。

ぼやきオヤジ:そうかい。今回はコンセプトがしっかりしていると思うんだがな。オーストリア、イタリア、イギリス、フランス、ロシアと巡る、音楽ヨーロッパ旅行がテーマなんだ。

迷ホラ:なるほど、そんな深い意味があったんですか。

ぼやき:こじつけることもできるってことさ。
とにかく最初はオーストリア。ウィーンのスッペ(1819-1895)だ。「軽騎兵」で有名なスッペだが、今日は「詩人と農夫」。これも実に変化に富んだ、愉しい曲なんだな。

迷ホラ:チェロのソロが「線路は続くよ、どこまでも」と、ゆったり歌うんですよね。

ぼやき:どこまでもというが、ワシは天国へ続いているような、幸せな気分になるね。

迷ホラ:ハハ、そのまま昇天しないで下さいよ。

ぼやき:次はオペラの国、イタリアだ。
ヴェルディ(1813-18)プッチーニ(1858-1924)ロッシーニ(1792-1868)の3人なんだが、それぞれ全く違った音楽を書いた。

迷ホラ:ヴェルディは深刻で重たく、プッチーニは繊細で詩情に溢れ、ロッシーニは軽妙洒脱って感じですね。

ぼやき:川下さんの声には深みもあるとはいえ、柔らかくデリケートな美声ゆえヴェルディには合わないが、ロッシーニとプッチーニにはぴったりなんだ。

迷ホラ:そうなんです。川下さんの歌、すっごく素敵! 僕は「ボエーム」が大好きなんです。

ぼやき:それならミミが、この「私の名はミミ」と歌う時、どこから来たか知ってるかい?

迷ホラ:クリスマス・イヴに、ミミが隣の屋根裏部屋に住むロドルフォ達のところへ、ロウソクの火をもらいに来るという場面ですよね。自分の部屋からじゃないんですか?

ぼやき:ミミは「そこの階段で、息が・・・」と言っているんだが、隣の部屋へ行くのに階段はないだろう。

迷ホラ:じゃあ、ミミは下の部屋に住んでいたのかな?

ぼやき:いや、何回も「お隣」と言っているし、安い屋根裏部屋に住んでいることは歌詞からもわかる。答えは簡単。貧乏な彼女は、クリマス・イヴだというのに外でお針子の仕事をしていたのさ。

迷ホラ:そうか、「家や外で刺繍をしています」と歌うし、部屋から来たなんて言ってませんね。

ぼやき:ミミは外から帰ってきて門番から鍵とロウソクを受け取り、階段を上がってきたんだ。その門番はケチで常夜灯に火をつけないから、階段は真っ暗なんだな。

迷ホラ:どうしてそんなこと分るんですか?

ぼやき:ミミの歌の前にコルリーネが階段を滑り落ち「畜生、門番の奴!」って叫ぶじゃないか。

迷ホラ:なるほど。でもミミの部屋は本当に、隣だったんでしょうかねえ? 隣ってことは、やはりロドルフォ達と同じ屋根裏部屋でしょう?

ぼやき:何を言っておる。「白い小さな部屋で、屋根の上と空をながめながら暮らしています」と歌い「雪解けの時が来ると、最初の太陽が私のもの! 四月の最初の接吻も私のもの!」と歌うじゃないか。これは朝日の差し込む東向きの屋根裏部屋を意味するってことだろう。

迷ホラ:なるほど、そういうわけか。喋るように歌っていたのが、「雪解けの時が来ると」の部分から、急に大きな喜びをもって叙情的に歌われますね。最も感動的なところです。

ぼやき:あの部分は、貧乏ボヘミアン達の春への憧れ、希望を大きく託した、美しくも儚さを孕む象徴的な部分だったんだ。

迷ホラ:次はイギリスのエルガー(1857-1934)の威風堂々第1番です。中間部の有名なメロディーをヴァイオリンと一緒に、ホルン4人のユニゾンでやるんですが、けっこうイヤですね。

ぼやき:せいぜい波立たないように揃えることだな。
フランスのビゼー(1838-1875)による「カルメン」は、名曲コンサートの定番みたいなものだ。何も言うことはない。

迷ホラ:最後はロシアのショスタコーヴィチ(1906-1975)の第5交響曲から第4楽章です。

ぼやき:ショスタコーヴィチに関しては問題があるが、それを述べるには紙数が尽きたようだ。最後を飾るに相応しいド迫力の曲で勝利の行進ということなんだが、そこに隠れた意味があるから厄介なんだ、とだけ言っておこう。

迷ホラ:ところで、今日の駄洒落は?

ぼやき:詩人も働く・・・「詩人も農夫」。
  詩人も眠る・・・「詩人の毛布」。
  毛布を洗ったら・・・「縮んだ毛布」。
  仕方ない、借りてこよう・・・「知人の毛布」。
  
迷ホラ:ど、怒濤のごとく来ましたね!

ぼやき:まだまだ。今日は、ミミの話をいっぱいしたのでミミネタにしよう。
「私の名はミミ」に似た言葉で「私の生耳」で、どうだい?

迷ホラ:・・・。

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