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フツ〜で今一だけど聴ける朝比奈

●マーラー:交響曲第6番
朝比奈隆指揮 大阪・フィルハーモニー交響楽団
<1992年2月18日、大阪フェスティバルホール、大フィルレーベルGDOP2009>

 BGM的に鳴らしておく分には響が心地よく悪くはない。それは朝比奈のブルックナートーンに共通するいくぶん指板寄りを弾いて鳴らしたかのような、粘性の少ない深く広がりを持った響の弦による。しかし、ちゃんと聴くと不満が出てくる。

 全体的に爽やかでテンポが速く見通しがよい演奏ではあるが、それが6番かと言ったらそうではないでしょうといいたい。
 そりゃあ、そういうタイプの演奏でも素晴らしく美しければ問題無いが、音楽的な美しさで言ったらレークナーはもちろんシノポリなどの足元にも及ばない。
 とにかく、ルバートがほとんど無い。楽譜に書いてある指示すら無視しているような部分が一杯だから、マーラーの拘りが無いということなのだ。
 そして、弦にしても管にしても音の立ち上がりがあまく発音が不明瞭で、いくら錯綜した音楽だからといっても口ごもっていてはいけません。錯綜した音楽だからこそそれぞれがハッキリものを言わないと。

 弱音がフニャフニャにならないのは流石だが、強音部が腑抜けなのはいただけない。それでも第1楽章フィナーレは打楽器とトロンボーンで誤魔化すこともできるが、中間の二つの楽章はかなり物足りない。木管とホルンなど個々の技量不足が如実に音楽に現れていて、マーラー独特の怪しい美の世界は表出しない。
 技量不足と書いたが、本当は音符一個一個に意志を通わせればそんなことは補えるはずなのだ。なのに、そういった神経の細やかさもないため技量不足が目立つということ。
 例えばスケルツォで、木管がフォルティッシモで駆け上がる部分が頻出するが全く鳴らないし、アンダンテに於けるホルンソロなどスラー、テヌート、アクセントなどの基本的な奏法に問題がある。

 まあ、CD1枚に収まっちゃうくらいあっさりしたテンポだってのがそもそも間違いの元かもしれない(^^ゞ
だって、朝比奈だもんね。無理せずに遅いテンポでやって下さい。そしてスコア通りのテンポ変化を普通にやってくれれば朝比奈らしい独自のマーラー演奏になったんじゃないかと・・・。遅いテンポの7番はオケの下手さは相変わらずなのに、聴きどころが多く面白かった。

 オケが下手だということはブルックナーよりもマーラーの方が致命傷になることを実感させる演奏かなぁ・・・(・・;)
 ただし、聴いていて(何回聴いても)決してイヤにならないところが不思議な演奏。これだけ映像を想起させない無色透明な演奏も珍しい。それも純音楽的ってことかぁ・・・)*o*(

2005年7月22日(金)

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