渡辺 暁雄
(1919.6.5-1990.6.22 日本)

…名演 …駄演 …奇演

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5.SK-311 日本ビクター 研秀レコード 世界のオーケストラ名曲集(全17巻)-11 昭和43年10月25日製作
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」 
チャイコフスキー:弦楽セレナード作品48から第2楽章
 渡辺暁雄/読売日本交響楽団

    

5.SK-311 日本ビクター 研秀レコード 世界のオーケストラ名曲集(全17巻)-11 昭和43年10月25日製作
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」
チャイコフスキー:弦楽セレナード作品48から第2楽章
 渡辺暁雄/読売日本交響楽団

 第1楽章は第2テーマが物足りないのは仕方ない(と言っても悪くはない)として、最初のアレグロの入り方など慌てず騒がず、それでいて緊迫感を持たせるなど、なかなかである。スタッカートの切れ味の鋭さと、金管の有機物的な強奏が自然な流れの中に味わい深さを醸している。
 245小節ではちゃんとffからfffになるし、279小節のホルンも響いてくる。これで、コーダをもっと名残惜しくやってくれたらかなりの名演になったのに。

 第2楽章は凡演。主部が速め、中間部が遅めのテンポでよいのだが、例のごとく弦が水っぽい。

 第3楽章は名演だ。冒頭、ヴィオラの合いの手が鋭く硬い音なので一瞬オーボエかと思った。渡辺の解釈は普通なのだが、金管、特にトロンボーンが有機物的強奏で実に爽快に吹きまくっている。

 第4楽章は今一つだ。弦の表現の幅が狭いのが一因だと思う。もっとうねりのある音が欲しい。また、強奏の時に弦の音色が水っぽく、無機質的に鳴るのでうるさく感じられる。126小節のホルンをオープンで吹かせるのもよくない。
 渡辺の紳士的、温暖的良さと、中庸的、ぬるま湯的悪さが聴ける。

(1991.9)

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