エーリッヒ・クライバー
(1890.8.5-1956.1.27 オーストリア→アルゼンチン)

…名演 …駄演 …奇演

23.MZ-5096
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調
 エーリッヒ・クライバー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 Sp:ヒルデ・ギューデン Alt:ジークリンデ・ワーグナー Te:アントン・デルモータ Bs:ルートヴィッヒ・ウェーバー

    


23.■MZ-5096
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調
 エーリッヒ・クライバー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 過不足無い感情移入もあらわにはならない上品な「第九」。とはいっても、オーボエやヴァイオリンの音色は良くウィーンの魅力を伝え、内声までもしっかり弾き込まれた味のある演奏なのでとりすました感じはない。
 第1楽章・Hの5小節目の2nd.ヴァイオリンの6連符など、この録音の古さにもかかわらずクッキリと生きているし、第2楽章のトランペットのリズムも面白い。
 第3楽章こそは感情表現の直接性を隠した上品なものだ。第4楽章・冒頭では低弦の雄弁さが光る。そしてコーダの「プレスティッシモ→マエストーソ→プレスティッシモ」の変化が実に独特のスムーズさでおもしろい。マエストーソにならず、プレスティッシモに戻らないのだが、迫力不足ではある。フィナーレは上品ではダメだな。

 バスのウェーバーの急き込むような歌い始めが印象的だ。

(1991.11)

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