165.■PA-1148 トリオ株式会社 Rec.1977年5月12日 ¥2,300 118.■PA-5024 トリオ株式会社 Rec.1975年3月11日 ¥1,800
匂うようなハーモニー。躊躇うようなアゴーギクからは馥郁とした香りが立ち昇る。微に入り細を穿った、その音造り、音楽造りは、いつ聴いても今生まれたかのような新鮮な空気を漂わす。これはチェリビダッケにつながる。宇野さんは合唱界のチェリビダッケだったのだ。この演奏はシュトゥットガルト時代のチェリに近い。 それにしても、針圧を3〜4グラムにして再生しても、改善されるとはいえ強音部の歪みが完全には消えない。いくら弱音・小音で感動するアルバムとはいえちょっと口惜しい。「と・り・い・れ・の・あー・き」の「あー」で歪むのだ。大好きな曲なのに。
言葉を大切にし、つまり発声よりも発音を重視して曲の内容を抉り、絶妙のニュアンス変化を伴わせて愉しく、しかし、じっくり聴かせる名演。 月と良寛では、第3曲・月のうさぎで「それぞれ食べ物を探しに出かけた」のフレーズが何度も繰り返されるのが不自然で嫌いだ。こういうところが合唱臭がする。 ハレルヤは、この解釈をオケと混声合唱でやったら凄かろう! スクラッチノイズがやや気になる。 |