オットー・クレンペラー
(1885.5.14-1973.7.6 ドイツ)

…名演 …駄演 …奇演

15.EAA-80034
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調
 クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

54.DXM-160〜2VX 日本コロムビア株式会社
マーラー:交響曲第2番ハ短調
 クレンペラー/ウィーン交響楽団
 Sp.シュタイングルーバー A.レッセル=マイダン
 ウィーン・アカデミー室内合唱団 ウィーン学友協会合唱団

61.AA-8098〜9 東芝音楽工業株式会社
マーラー:交響曲第2番ハ短調
 クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団
 Sp.シュワルツコップ A.レッセル=マイダン
 フィルハーモニア合唱団

ワーグナー:ヴェーゼンドンクの歌
 クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団
 Ms:クリスタ・ルートヴィヒ

114.EAA-93079B 東芝音楽工業株式会社
ハイドン:交響曲第88番ト長調「V字」
    :交響曲第100番ト長調「軍隊」
    :交響曲第101番ニ長調「時計」
    :交響曲第104番ニ長調「ロンドン」
 クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 フィルハーモニア管弦楽団(101番)

147.EAC-40046 東芝EMI業株式会社 ¥1,500
モーツァルト:交響曲第33番変ロ長調 K.319
      :歌劇「皇帝ティトスの慈悲」序曲 K.621
      :交響曲第34番ハ長調 K.338
      :歌劇「後宮からの逃走」序曲 K.384
 クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 フィルハーモニア管弦楽団(K.338,K.384)

    


147.■EAC-40046 東芝EMI業株式会社 ¥1,500
モーツァルト:交響曲第33番変ロ長調 K.319
      :歌劇「皇帝ティトスの慈悲」序曲 K.621
      :交響曲第34番ハ長調 K.338
      :歌劇「後宮からの逃走」序曲 K.384
 クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 フィルハーモニア管弦楽団(K.338,K.384)

 トランペットもティンパニも使わないK.319なのに、スケールは壮大。テンポの動きもなく、アソビもないのに生命感は充分。FMのテーマ音楽として親しんだ第2楽章も全くロマンティックではない。でも、響きの充実感があるので気持ちイイ。音楽的な弦の刻みと良く響く木管、時に強奏されるホルンなどのバランスが最高の第4楽章は、クレンペラーの魅力が一杯だ。

 K.384は、これまた立派な演奏。内から沸き上がるような立派さのため、空虚なところが皆無だ。第1楽章終りのホルンの強奏にはキラリと光る情熱を見ることもできる。オケのメンバー個々の巧さも特筆に値するだろう。例のごとく木管を強調するために、小さく抑えられたときの響きが決して弱くならないのが凄い。

 二つの序曲も充実した響きの立派な演奏だ。ただし、K.384の方は曲のせいか、今一つ面白くない。木管を生かす場面が少なく、繊細な響きの少ない曲だからか?

(2002年.8月)

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114.
■EAA-93079B 東芝音楽工業株式会社
ハイドン:交響曲第88番ト長調「V字」
    :交響曲第100番ト長調「軍隊」
    :交響曲第101番ニ長調「時計」
    :交響曲第104番ニ長調「ロンドン」
 クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 フィルハーモニア管弦楽団(101番)

 音符一つ一つに生命が宿ったような味のある名演。如何に内声が音楽しているか、またそれがテーマを生かしていることか!
 おさえ気味のホルンも「V字」の第4楽章や「軍隊」の第1楽章の決め所ではしっかり決める。そのホルンは「時計」のフィナーレでも愉しく強奏し、「ロンドン」の第1楽章・終りでもカッコよく決める。「軍隊」の主部で、強めに吹かれる2番オーボエも実に愉しい。
 旧配置の響きが心地よく、ある時には分析的に聞えるのもたのしく、トゥッティの時の響きの一体感がまたイイ。じっくり落ち着いたテンポと木管を生かしたクレンペラー流の響きが心を落ち着かせ、じっくり味わえる演奏。

(1996.9)

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61.■AA-8098〜9 東芝音楽工業株式会社
マーラー:交響曲第2番ハ短調
 クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団
 Sp.シュワルツコップ A.レッセル=マイダン
 フィルハーモニア合唱団

ワーグナー:ヴェーゼンドンクの歌
 クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団
 Ms:クリスタ・ルートヴィヒ

 2面以下、即ち第3楽章・第4楽章・第5楽章の音のレベルが明らかに低い。
 クレンペラーがマーラーのスコアを自分の主観で理性的に解釈した演奏と言えそう。
 冷たい演奏ではないが、溢れるような情熱とか、マーラー独特のねちっこさは全く感じられないしフォルティッシモの爆発もそこそこ。エロティックになるはずのポルタメントも上品だ。
 例のごとく旧配置で演奏しているため、第2・3楽章など純音楽的面白さが多い。…にしても、全体的になんか物足りないなあ。

 ヴェーゼンドンクの歌は曲が今一つ理解できなくて面白くない。でも、ルートヴィヒはうまいと思う。クレンペラーの伴奏は、もう少し分かるように演奏できないものかな?

(1992.1)

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54.■DXM-160〜2VX 日本コロムビア株式会社
マーラー:交響曲第2番ハ短調
 クレンペラー/ウィーン交響楽団
 Sp.シュタイングルーバー A.レッセル=マイダン
 ウィーン・アカデミー室内合唱団 ウィーン学友協会合唱団

 クレンペラーの指揮ぶりとしては、ややスケールが小さいもののなかなか見通しがよく、また、オケがウィーンフィルのような魅力をふりまき、しまった中にしなやかな感覚を持っている。
 特に第2楽章はピアニッシモにおいても音を痩せさせることなく、ポルタメントもうまく使われ、音楽を十分に愉しめる。また、全体的にライヴのような魅力があふれている。

 第1楽章は、音が悪くてとれない。
 アンサンブルのズレが結構あり、フィナーレ「47」の5小節目のシンバルなどかなり早いタイミングで打たれ、驚く。

(1991.12)

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15.EAA-80034
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調
 クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

 第1楽章は決して不自然なテンポをとっていないし、響きも無機的なことはないのだが何か物足りない。例えばホルンにしてもトランペットにしてもトロンボーンにしても、その強奏は力が入っているのにナカヌケの様な感じがするのだ。だから、トゥッティの時のフォルティシモが押さえつけられたようで、広がりに乏しい。そこに、如何にも人間臭い(マーラー的とも言えそうな)弦が粘っこく鳴ったりするので、スッキリしないのである。

 スケルツォの強奏もそうだ。純音楽的な響きは良いとして、そこに内から突き上げるようなパワーが感じられないのだ。

 前2楽章に比べてアダージョは、弦にも管にも強い力が感じられる。響きにブルックナーらしい透明感が足りないとはいえ、クレンペラーの共感の深さが伝わってくる。特にCからEの弦と木管は優しく心にしみわたってくる。

 第1楽章終わり、542小節でホルンとトランペットがかなりずれる。
 スケルツォ129小節で、突然音場が変わるのはテープ編集のあとか?

(1991.11)

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