*レコード番号をクリック。
103.■SOCL-1026 株CBSソニー ¥2,200
*モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331
:ロンドニ長調K.485
:ピアノ・ソナタ第9番ニ長調K.311
:ピアノ・ソナタ第15番ニ長調K.545
Pf:リリー・クラウス
127.■AB-9467C 東芝EMI株式会社
ピアノ・ソナタ全集(下巻)
*モーツァルト:アダージョロ短調 K.540
:ソナタ第7番ハ長調 K.309
:小さなジーグト長調 K.574
:メヌエットニ長調 K.355
:ソナタ第8番イ短調 K.310
:ソナタ第3番変ロ長調 K.281
:ソナタ第9番ニ長調 K.311
:ソナタ第11番イ長調 K.331
:幻想曲ニ短調 K.397
:ソナタ第1番ハ長調 K.279
:ソナタ第2番ニ長調 K.280
:ロンドイ短調 K.511
:ソナタ第16番変ロ長調 K.570
Pf:リリー・クラウス
139.■EAC-30127 東芝EMI株式会社
*モーツァルト:パイジェルロの「主よ、幸いあれ」の主題による6つの変奏曲 K.398
:ソナタ第10番ハ長調 K.330
:ソナタ第4番変ホ長調 K.282
:ソナタ第5番ト長調 K.283
Pf:リリー・クラウス
140.■EAC-30128 東芝EMI株式会社
*モーツァルト:ソナタ楽章(アレグロ)ト短調 K.312
:ソナタ第13番変ロ長調 K.333
:ソナタ第15番ハ長調 K.545
:「美しいフランソワーズ」の主題による12の変奏曲 K.353
Pf:リリー・クラウス
141.■EAC-30129 東芝EMI株式会社
*モーツァルト:幻想曲ハ短調 K.396
:ソナタ第12番ヘ長調 K.332
:ソナタ第17番ニ長調 K.576
:サルティ「小羊のように」の主題による8つの変奏曲 K.460
Pf:リリー・クラウス
142.■EAC-30130 東芝EMI株式会社
*モーツァルト:幻想曲ハ短調 K.475
:ソナタ第14番ハ短調 K.457
:ソナタ第6番ニ長調 K.284
Pf:リリー・クラウス
142.■EAC-30130 東芝EMI株式会社
*モーツァルト:幻想曲ハ短調 K.475
:ソナタ第14番ハ短調 K.457
:ソナタ第6番ニ長調 K.284
強い自問自答が、心に激しい嵐となり葛藤に苛立つ。感情が収まっても尾を引くように残る暗さ。そのようなK.475を解決すべくK.457は、はっきりした戦いを挑むようだ。一抹の不安を心に残し休息する第2楽章に続く第3楽章は、実に即興的な名曲。去来する感情を次々と音化していく。クラウスの演奏はなかなか見事。
泡立ちはじけるようなK.284は、ワビ・サビまで聴かせるクラウスの自在な演奏がオシャレ。
上質で粒立ちの良いタッチが、弱音でも曖昧にならず強音でも濁らず、バランス変化による音色の表出を伴うのがクラウスの良さで、今一つの演奏と感じたものは、録音に“こもり”があるような気がした。
(1998年4月)
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141.■EAC-30129 東芝EMI株式会社
*モーツァルト:幻想曲ハ短調 K.396
:ソナタ第12番ヘ長調 K.332
:ソナタ第17番ニ長調 K.576
:サルティ「小羊のように」の主題による8つの変奏曲 K.460
K.396は何回も出てくるアルペジオに特徴のある曲だが、クラウスは音の粒立ちが良く、とても美しい。
K.332の第1楽章は今一だ。アゴーギクがもたつく感じでクラウスとしては中途半端だ。しかし、第2・3楽章はぐっと良くなる。思い切ったフォルテなど胸がすくし、かなりふっ切れている。でも、更なる変わり身のはやさを望んじゃうんだよね。
K.576は平凡。音色変化の美しさなどあるものの、閃きに乏しい感じ。
K.460は曲が面白くないが、変奏が進むにつれてクラウスの演奏が生命感を増し、絶妙な音色変化が宝石の輝きのように耳を愉しませる。後半に転写あり。
(1998年4月)
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140.■EAC-30128
*モーツァルト:ソナタ楽章(アレグロ)ト短調 K.312
:ソナタ第13番変ロ長調 K.333
:ソナタ第15番ハ長調 K.545
:「美しいフランソワーズ」の主題による12の変奏曲 K.353
K.333は、モーツァルトの全てがあると言った感じの名演。コロコロところがる粒の良く揃ったタッチは、いつもの好調時のクラウスでそこに絶妙のリズム感の良さが光る。そして、なよなよしていないところがイイ。「モーツァルトは燃え立つ火」なのだ。
ハイドシェックのデフォルメされたK.545もイイが、やはり基本はクラウスの名演。第3楽章が最も素晴らしい。
K.312とK.353は曲が今一つだが、クラウスの演奏は素敵だ。得も言われぬニュアンスにハッとさせられ、その瞬間を永く愉しめるのがモーツァルトの名演ということだ。K.353は尻上がりに良くなっていく。
(1998年4月)
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139.■EAC-30127
*モーツァルト:パイジェルロの「主よ、幸いあれ」の主題による6つの変奏曲 K.398
:ソナタ第10番ハ長調 K.330
:ソナタ第4番変ホ長調 K.282
:ソナタ第5番ト長調 K.283
K.398は、颯爽として美音が決して淀まない名演。
K.330は、いつもの素敵な部分と、入力オーバーというか淀んで美しくない部分がある。入力オーバーというのは結局淀みにつながるが、特に第1楽章のフォルテの部分はそんな感じで今一つだ。第3楽章はアレグレットとはいえ遅すぎ。表情もあり過ぎに感じる。
K.282は名演だ。ただしクラウスの変わり身のはやさに曲自体がついてこられない、つまり今一つの曲ということ、モーツァルトにしては・・・。
K.283も名演。音色の変化も美しく、フォルテの力配分が良いので弱音が生きる。クラウスの自在な即興風演奏にぴったりの曲が第3楽章!
第3楽章・再現部のあたりで転写がある。
(1998年4月)
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127.■AB-9467C
ピアノ・ソナタ全集(下巻)
*モーツァルト:アダージョロ短調 K.540
:ソナタ第7番ハ長調 K.309
:小さなジーグト長調 K.574
:メヌエットニ長調 K.355
:ソナタ第8番イ短調 K.310
:ソナタ第3番変ロ長調 K.281
:ソナタ第9番ニ長調 K.311
:ソナタ第11番イ長調 K.331
:幻想曲ニ短調 K.397
:ソナタ第1番ハ長調 K.279
:ソナタ第2番ニ長調 K.280
:ロンドイ短調 K.511
:ソナタ第16番変ロ長調 K.570
K.540は、深く深く沈み込んでいくような情感が綺麗ごとではない祈りを表しているといえよう。
細かい音符1つも疎かにしないK.309は、第1楽章などクラウスにしてはややしんねりむっつりし過ぎの感じがする。第2楽章は和音のバランスに意味深さがあり美しい。第3楽章は大分本来のクラウスに戻って愉しい。
K.574は思い切りが足りない。クラウスとしては平凡。
K.355は、舞曲を離れたようなメヌエットだが味わい深い演奏。
K.310は、やや抑え目のテンポで情熱を伴った表情の変化が見事な第1楽章。絶妙なアゴーギクで美しい造型の中に熱い心を表現する第2楽章も名演。そして、実に変わり身のはやい第3楽章!
K.281の第1楽章は、まさに朝露が葉っぱの上をころがるような趣の名演。第2楽章も、とってつけたようなところはどこにもない。そして、第3楽章はもう変幻自在。絶好調のクラウスがいる。
K.311の第1楽章は、変わり身のはやさは相変わらずだが、少し力が多すぎる感じがある。第2楽章はやや音色の変化に乏しい。第3楽章もやや物足りない。それは、クラウスらしい身の軽さがないということだ。K.311は全体的になぜか重たい。とはいっても名演だが…。
K.331。虹のような音色の変化が虹のごとく果無い情感として表現された、しっとりした名演が第1楽章だ。ああ、第2楽章はメヌエットだったんだと思わせる良いテンポ。そのテンポが自在に伸び縮みし、左手と右手を微妙にずらして即興性が匂ってくると、クラウスの魔術に気持ち良く嵌まる。そして、寂寥感漂うマーチが続くのだ!
K.397は、溢れる哀愁に溺れることなく、何気ない和音の美しさが光る、節度ある名演。
K.279の第1楽章は、自在感溢れているのにやや冗長に聞えるのはどうしてだろうか? 続く楽章もクラウスとしてはやや平凡。第3楽章は愉しい。
K.280は、曲の内容がぐっと深く感じる。その分クラウスの演奏も味わいが深くなっている。最弱音が強く訴えかける第2楽章、アダージョも素敵だが、宮殿内を駆け巡り、こちらと思えばまたあちらといった感じで、モーツァルトがペロッと舌を出しているような第3楽章は凄く愉しい。
K.511は、何気なく無頓着なようで哀感が充分に匂い立つ。こういうリズミックでない曲でのリズム感の良さが、即興性を強く感じさせるのだ。そして、自由な強弱が、生命を実感させる。
K.570は、まあ普通のクラウス。曲がそれほど魅力的ではない。
(K.570は、ハイドシェックが凄い。クラウスも吹っ飛ぶ。ハイドシェックなら素敵に聞える曲だ!)
(1997年7月)
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103.■SOCL-1026 株CBSソニー ¥2,200
*モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331
:ロンドニ長調K.485
:ピアノ・ソナタ第9番ニ長調K.311
:ピアノ・ソナタ第15番ニ長調K.545
このレコード、まずヒスノイズが多いのにガックリ来る。そして愛するクラウスの音が、なんて汚く録音されていることか! 歪みっぽいしデリカシーがないし、冴えない。
演奏自体もK.331とK.485は、やや常識的すぎる。それでも変わり身の早さは健在で、録音が良ければと惜しまれる。
K.311は最初の和音にワウ・フラッターがある。一音一音に心のこもったものが感じられる粒立ったタッチが、変幻自在になるはずなのに、録音の悪さが感動を邪魔する。
K.545は録音の悪さをあまり感じさせないのが良い。演奏もクラウスのデリカシーと強さと即興風な歌をもつ名演。
(1996年5月)
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